丸い顔がなんとも愛らしく、愛嬌のあるシーズーですが、日本では古くから人気がある犬種で、流行に左右されず、常に不動の人気がある犬種です。
そんなシーズーですが、一体どんなわんちゃんなのか、どのようにして飼育すればいいのかなど、シーズーを飼おうと思っていらっしゃる方にもわかりやすく、解説していきます。
「シーズーの歴史」
まずは、シーズーの歴史から見ていくことにしましょう。
<年代>
17世紀、チベットのダライ・ラマという僧侶が、ラサ・アプソという犬を魔除けとして中国の皇帝に献上しました。
そののちにもともと皇帝に飼われていたペキニーズと、献上されたラサアプソを交配して作らたのが、シーズーの起源だと言われています。
シーズーは、神の使者として大切にされ、中国皇帝のペットとして清明皇帝にかわいがられました。その後、中国の西太后はこの犬を非常に寵愛していたと伝えられています。
その美しい姿は彫刻、刺しゅう、装飾品のデザインとして好まれました。この犬を飼うのは皇帝のみに与えられた特権であり、門外不出の犬として大事にされました。
しかし、中国で1950年代に産業革命が起きた時、多くの犬が殺され、シーズーも多くの犬が殺処分され、絶滅しかかるということが起きました。
本来は輸出を禁じられた門外不出の犬でしたが、国外へはイギリスへ産業革命以前の1930年代にもたらされ、そこでラサアプソとして紹介されていました。
1935年、イギリスの犬種クラブで顔が短く、足が短いものをラサアプソではなく、「シーズー」として認定し、繁殖が行われました。これが現在のシーズーのもとになったと言われています。
日本では1960年代頃に持ち込まれ、1964年にJKC(日本畜犬協会)に登録されました。
<原産国>
シーズーの原産国は、中国とされる場合と、チベットとされる場合があります。
発祥で考えますと、中国が原産国だと言えるかもしれません。
<犬種名の由来>
諸説あるのですが、空想上の動物であるライオンを意味する「シードズー」が起源とされている説と、中国皇帝が神の使者として大切にし、ライオン(獅子)に似た犬(狗)として、獅子狗(シーツゥクゥ)と呼んでいた経緯があり、のちにイギリスに渡った時、そのままの発音を使い、シーズーと呼ばれるようになったと言われている説が有力です。
<種類>
シーズーには、種類はありません。
シーズーはヨークシャーテリアのように、毛を長く伸ばしたフルコート状態で飼う人もいますし、カットで楽しむ方もいて、それぞれで全く違った表情を見せるため、同じ犬だと思わない、種類が違うのかと思う方もおられるようですが、元は同じ「シーズー」という犬種です。
「シーズーの特徴」
次に、シーズーの特徴を細かく見ていくことにしましょう。
<毛色>
本来、犬の毛色というのは非常にデリケートな問題を含んでいます。
犬種の中には「産ませるべきではない毛色」というのが存在します。それは、毛色と遺伝性疾患が密接なかかわりを持っていることに由来しています。
チョコレート色や、ブルー、斑模様などが該当するケースがあり、目の疾患や脳の疾患が発現することがあります。
しかしながら、シーズーにはいわゆるNGカラーというのが存在せず、どの毛色でも認められているという犬種です。
日本では、パーティカラーと呼ばれる2色の毛色(うち一色は必ずホワイト)を持つシーズーが一般的です。白×茶、白×黒の毛色のシーズーが多いです。
他には、ソリッドカラーといって単色のシーズーもいますが、非常に珍しいシーズーです。
<大きさ(高さ、体重)>
シーズーは、体重は4~8kgで、5.4~6.8kgのものが好ましいとされています。
体高は20~26cmで、27.5cm以下が望ましいとされています。
シーズーは、大きな瞳とあちこちに跳ねた鼻の周りの毛が特徴で、菊の花のように見えることから、「クリサンセマム・ドッグ」とも呼ばれることもあります。
文化大革命前の北京ケネルクラブ犬種標準書には、「頭部はライオン、体はクマ、足はラクダ、尾は羽ほうき。耳はヤシの葉、歯は米粒、舌は真珠のような花弁。歩く姿はまるで金魚。」と書かれており、当時から希少価値の高い犬であったことが伺えますね。
<臭い>
シーズーは、口の周りにも毛が生えますし、口の周りの毛を丸くカットしたり、長く伸ばすのが一般的なスタイルなので、どうしても口周りは臭くなってしまいます。
特に、歯周病になっているシーズーや、内臓疾患で病気療養中の犬は、口臭自体が酷くなるため、まずは口内のケアが必要になってきます。
ボディ自体はあまり臭いませんが、定期的にシャンプーをしないと、もちろん体臭がきつくなってしまいます。
<性格>
シーズーは、無駄吠えも少なく快活ですが頑固な面があり、しつけ次第では無駄吠えしてしまい、扱い難い犬になってしまうこともあります。
また人なつっこい時もあるかと思えば、癇癪を起こす時もある二面性を持つ犬種でもあります。
活発な性格ですが、暴れん坊というわけではありませんので、小さなお子様や高齢者のいるファミリーでも飼育可能な犬種です。
他の犬とのコミュニケーションも取れる方なので、多頭飼育・多種飼育も可能です。
基本的には、従順で非常に賢いため、しつけはしやすく飼いやすい犬種だと言えるでしょう。
「シーズーの飼い方」
次に、シーズーの飼い方について詳しくご説明していきましょう。
<飼う場所(室内)>
シーズーは、もともと中国の皇帝に大切にされていた犬種ですので、番犬としてではなく愛玩犬としての目的で生み出された犬種です。
ですので、室内飼育が基本です。
<散歩>
シーズーは、見た目も非常に美しいため、あまり散歩をしないのでは?と思われがちですが、しっかり散歩させることが必要です。
そもそも、散歩が必要でない、運動をさせないで良いという犬種はおりません。
室内で飼育をしますが、外に出てしっかりと運動させ、日光にあたって健康維持を行うことが寿命を延ばすコツでもあります。
<エサ>
シーズーの餌は、ドッグフードが一般的です。
涙焼けが酷いシーズーが目立ちますので、涙焼けが改善されるようなドッグフードが良いでしょう。涙焼けの原因のひとつに脂が挙げられますので、油分が少ない、油で加工されていない、添加物を含まない良質なドッグフードを選んであげましょう。
<トリミング>
シーズーという犬種は、意外にもトリミング(カット)が必要な犬種です。
カットしないと、毛は伸び続け、絡まったり切れたりしてしまいます。
一般にペットとして飼育されているシーズーは、フルコートと呼ばれる毛の長さを活かしたドッグショー用のカットをしている犬は少ないため、この状態をご存じない方もおられるでしょう。
シーズーは、本来は非常に美しい被毛をなびかせながら、歩くのが魅力の犬種です。
ですので、ショーに出る場合は専門のトリマーさんに任せながら、色々と生活にも気を遣う必要がありますが、ペットとして可愛がるだけの場合は、やはり短くカットしたスタイルで過ごさせた方が人も犬も楽ですね。
<価格>
シーズーの価格相場は、15万円~30万円です。
もちろん、ペットショップから買うかブリーダーから直接買うかでも価格は変わってきます。また、シーズーも他の犬種同様に、メス犬の方がオス犬よりも若干高いのが普通です。
シーズーについては、ドッグショーを楽しむ目的で飼育する方も、最近は増えてきていますし、日本にはあまりいない貴重な血液を使って繁殖しているブリーダーから購入する場合は、犬質にもよりますが40万円以上見ておく必要もあります。
「シーズーの食事」
シーズーの食事は、一般的にはドッグフードを与えている方が大半ですし、カロリーコントロールや栄養バランスをきちんとしたほうがいいので、そういう意味でもドッグフードを与えるのが手軽です。
ここでは、シーズーに必要な栄養素や、NG食材についてご説明します。
<必要な栄養素>
シーズーに必要な栄養素は、「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」「水」です。
タンパク質は植物性ではなく動物性たんぱく質が重要で、しかも良質なたんぱく質が必要です。
タンパク質はシーズーの毛、皮膚、爪、筋肉、腱、靭帯、軟骨等を作るアミノ酸を供給し、ホルモンや免疫物質生成の材料にもなる必須栄養素です。
タンパク質が足りないと、免疫力が低下し、弱い個体になってしまいます。
シーズーはガンに悩まされる個体も多いことから、若いころから免疫力を高めて丈夫な身体づくりを目指すことがとても重要となってきます。
次に脂質です。
脂質は生命活動のエネルギーとなりますが、与えすぎには注意が必要です。
脂分を与えすぎることにより、肝臓病になってしまったり、皮膚疾患になってしまうことがあります。
体内に入った食べ物は、胃腸を通過し肝臓で栄養素かどうか判断されますが、脂に関してのみ直接心臓に作用します。ですので、粗悪な脂を与え続けていたり過度な脂質を摂取していると心臓疾患になりやすいことがわかっています。
また、脂質を摂取しすぎると胆泥症になることも多く、場合によっては胆嚢を摘出する手術をしなければならないこともあり、そうなりますととても厄介です。
次は炭水化物です。この栄養素は、摂取後すぐにエネルギーに変わってくれることから、これも必須要素です。しかしながら、炭水化物は糖分に変化しますので与えすぎると、確実に太りますので注意しましょう。炭水化物といえば米が挙げられますが、稀に米アレルギーの犬もいますので、初めて与える際は十分に注意が必要です。
次はビタミンです。
ビタミンの中でも犬に必要なビタミンは下記の通りです。
水溶性ビタミン | ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン、ビタミンC |
脂溶性ビタミン | ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK |
ビタミンは、体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。
ただし、最も重要なことはビタミンは摂取しても、日光に当たらないと身体に作用しないため、食事を与えるだけでなく、十分な散歩が必要です。
また、ビタミン不足は特に皮膚に影響を与えます。シーズーは、できものができやすい犬種でもあるため、皮膚組織の免疫力を高めて丈夫な肌に育てるのがとても大切です。
次に、ミネラルです。
ミネラルは、体液バランスの調整、細胞の一般機能、神経伝達、筋収縮、そして体の構成(骨)などで重要な役割を果たします。
また、鉄はヘモグロビン(赤血球)及びミオグロビン(筋肉)、ヨードは甲状腺ホルモンの必須成分です。
犬に特に重要なのはカルシウムとリンです。カルシウムとリンはいずれも骨・歯の構成成分です。これらが不足すると当然ですが、歯や骨の疾患になりやすくなります。シーズーのような小型犬は歯が弱い個体が多く、歯周病になると顎の骨が腐ってくるという恐ろしい症状にもなりかねませんので、栄養素を摂るだけでなく、日頃から口臭のケアもきちんと行いましょう。
最後に水です。
水は栄養素というよりは、生命維持になくてはならない成分です。
健康な犬が一日に必要な水の量(mL/日)は、一日に必要なエネルギー量(Kcal/日)とほぼ等しいと言われています。
ワンちゃんの中には、なかなかお水を飲んでくれないという犬もいて、飼い主様を悩ませているケースもよくありますが、水分不足は即、命にかかわります。
脱水状態に注意し、日頃から積極的に水を飲ませてあげましょう。
シーズーは尿管結石ができやすくなる犬種でもあります。
結石の原因は細菌です。石ができるまえに、おしっこで菌を排出する、菌が体内に入ってもそれをやっつけられる免疫力を付けるということが改善策です。
常に新鮮なお水を飲めるように配慮してあげてください。
<与えてはいけない食べ物>
シーズーに与えてはいけない食材としては、「ネギ類」「チョコレート」「アルコール」です。この他には、果物だと「ブドウ」「アボカド」なども、中毒を起こす子もいますので与えないほうが無難です。特に果物の種子には毒性があるものが多いため、どんな果物や野菜であってもタネを取り除くことを忘れないでください。サクランボなど、種を誤って食べてしまう可能性が高い場合は、与えないほうが無難です。
さらに、桃やイチゴは、好物だという犬も多いのですが、アレルギー反応を起こす場合もありますので、初めて与える際には少しずつ様子見しながら与えましょう。
また、トマトも葉っぱがある周りの青い部分は、毒素があると言われているので、ここも与えないようにしましょう。
さらに、人間用に味付けされたご飯は、犬には過剰な塩分が含まれていますし、調味料などの成分の中には犬にとっては危険なものもありますので与えてはいけません。犬も味が濃いものは好きですし、甘味を好みます。ですので、一度人間の食事を与えてしまうと癖になってしまいますので、注意してください。
<ドッグフード>
ドッグフードには、量販店やペットショップで販売されている物や、通販でしか手に入らないこだわりのドッグフードなどさまざまな種類があり、何を与えればいいのかわからないという方もおられると思います。
ただし、市販のフードにはヨークシャテリアの身体に良くない添加物が使われていたり、その添加物が発がん性物質の場合もあったりと、危険なドッグフードも販売されていますので、飼い主様として愛犬に与えても安心なドッグフードを是非見つけてください。
シーズーは小型犬ですので、ドッグフードも小粒のものを選んだ方が良いですね。
「シーズーのしつけ・トレーニング」
シーズーは、とても賢く大人しい性格で、無駄吠えもする子は少ないです。もちろん無駄吠えするシーズーもいますが、しつけやトレーニングで直ります。
シーズーのみならず、犬と人間が共存するには、犬にも人間社会でのルールを守ってもらう必要があります。
互いに気持ちよく暮らせるように、しっかりとしつけやトレーニングを行っていきましょう。
<接し方・コミュニケーション>
シーズーは頭がよく、しつけやすい犬ですが、やや頑固な面があります。
自分が納得いかないと攻撃的になる可能性があるため、子犬のころからしっかりルールを決めて覚えさせることが重要です。
日頃から積極的にスキンシップを行い、人を信頼できるようにしておくと、しつけやトレーニングがやりやすくなりますし、飼い主様やご家族との絆が強くなりますよ。
<褒める・叱る>
シーズーにベストなしつけ方法は、「褒めてしつける」ことです。人間の場合は、叱られて伸びる人もいますが、犬にはまずそのようなタイプはいません。
ですので、シーズーも褒めてしつけると、覚えも良く早くしつけることができます。
もちろん、時には叱ることも必要です。
ただし、叱る際は必ずいけないことをしてすぐに叱ります。後で叱られても犬にしてみればどうして叱られたのかわからないからです。
また、叱る際には必ず言葉で叱ります。間違っても体罰を与えてはいけません。
さらに、状況で変えることもダメです。同じことをして、昨日は叱ったのに今日は「別にいいか」では犬が迷ってしまい、覚えることができません。
<室内>
シーズーは室内外が基本です。
犬を室内で飼うにあたって、やはり行っておくべきしつけや訓練はあります。また、お住まいの状況でも何に重点を置いてトレーニングを行うのかも変わってきます。
例えば、マンションなどの集合住宅では無駄吠えが苦情として挙がってきますから、無駄吠えをしないようにしつけるのは必須です。
室内では特に、危険なものを噛んだりしないように注意してください。電気コードや電化製品で感電して死亡するケースもあります。
<散歩>
シーズーは本来、とても活発で利口な犬種ですから、お散歩好きのシーズーもとても多いです。散歩は、ストレス解消になるだけでなく、外に出ることで脳を刺激し、生命活動をより活発にします。また、リンパの流れがよくなることで、免疫力を高めることにも繋がります。
小型犬であるシーズーは、何時間も散歩させる必要はありませんが、1日20分程度を毎日行うと良いですね。
なお、毎日の散歩コースにもよりますが、普通に生えている植物の中に、犬が口にすると大変危険な植物も存在します。
彼岸花や、薔薇の花弁を口にするのも危険ですし、家の生け垣によく使用されている植物にも実は危険が潜んでいます。
とくに注意が必要な植物はイチイ、キダチチョウセンアサガオ、シキミ、セイヨウキヅタ、センダン、ソテツです。これらは、種子や葉を食べると死に至ることもある危険な植物です。
たまに、スマートフォンの画面をみながら散歩をさせている方を見かけますが、散歩中は何があるかわかりません。しっかり愛犬に集中し、危険な事故から防げるようにしておきましょう。
<無駄吠え>
シーズーは、無駄吠えをしない犬種ですが、無駄吠えをしてしまう子もいます。無駄吠えは、犬を飼っていない方にとっては騒音でしかなく、理解してもらえることはないため、苦情を言われて気まずくなる前に無駄吠えをしないようにしっかりとトレーニングを行いましょう。
<トイレ>
シーズーへのトイレのしつけかたは、
- ペットシーツを敷いた箇所を囲いで囲む
- その中で遊ばせておき、トイレをしたら褒める
- 囲いの大きさはそのままで、だんだんシーツを敷く範囲を狭めていく
- トイレしたら褒めるを繰り返す。ただし、失敗したら叱るのではなく無視する。
- だんだんできるようになったら、囲いを外す。
- 以上をきちんとできるまで繰り返す
というような順序が一般的です。
トイレのしつけができないと悩んでいる飼い主様はとても多く、それがストレスになってしまっている飼い主さんは多いようです。
まず重要なことは、焦らないことです。
犬には、3歳くらいの知能があり、人間の言葉を300語ほど理解していると言われていますが、人間の3歳くらいの子供さんが、みんなトイレを完璧にできるかどうかと言われたらそうではありませんよね。
トイレのしつけは、根気が必要なトレーニングです。何度も同じことを繰り返していくうちに、だんだん覚えてくれるので、すぐできるようになると思わないで気長に行っていきましょう。
<噛む>
シーズーは温厚で賢く社交的な犬種なので、あまり人や他の犬に対して噛みつくということはありません。ただし、全てのシーズーに噛み癖が無いとはいえず、他人に対して危害を加えてしまうことももちろんあります。
人を噛んだ犬の結末は残念な結果が多く、最悪の場合殺処分されることもあります。噛み癖のある犬は、早いうちに直さないと大変なことになってしまいます。
<留守番>
お仕事を持たれている場合は、その間は家で留守番をさせなければなりません。
留守番のしつけは、最初は5分程度の短い時間からはじめて、だんだん時間を伸ばしていくやり方がベストです。
ある日いきなり数時間も家をあけてしまうと、分離不安の原因にもなりますし、留守中何が起こったのか犬には理解できず、ずっと吠えているということにもなりかねません。
さて、留守番のしつけで「フリーにさせておくか」「ケージに入れておくか」で見解がわかれます。まだ留守番に慣れていなかったり、子犬のうちは留守中何が起こるか予想できないため、ケージの中で留守番をさせる方が良いでしょう。
電気コードを噛んだりなど、命に係わるいたずらをしなくなったら、フリーで過ごさせても構いませんが、その場合も犬の手の届くところに、食べてはいけない食材や触っては危険なものなどは置かないよう心がけましょう。
「シーズーの健康」
犬には、それぞれかかりやすい病気や怪我があります。
犬種によってかかりやすい病気というのは、確かにあります。
その病気にならないことが一番ですが、もしなってしまった際に慌てないで適切な処置をしてくれる医師を探すためにも、シーズーがかかりやすい病気や怪我について知っておくことは飼い主の務めでもあります。
<かかりやすい病気・けが>
シーズーがかかりやすいとされている病気は下記の通りです。
(免疫介在性溶血性貧血)
何らかの原因によって、自己の赤血球に関する抗体が生成され、血管内や脾臓、肝臓、骨髄内で免疫学的メカニズムによって赤血球が破壊される病気です。貧血の一般的な症状に加えて、発熱、血尿、黄疸などが見られます。治療は免疫抑制療法を行うのが一般的で、ステロイド剤投薬で様子見します。再発したり、難治性の場合は脾臓を摘出する手術を行う場合もあります。
(血小板減少症)
上記でご説明した免疫介在性溶血性貧血が原因で、血小板が減少してしまう病気です。その他の原因としては腫瘍や感染症などが考えられます。免疫介在性溶血性貧血同様に、ステロイドで治療を行います。
(軟口蓋過長症)
軟口蓋とは、上あごの一番奥にある柔らかい部分です。この部分が何らかの原因で長く伸びており、それが原因で、息を吸う時に気道を塞いでしまうのです。もしシーズーがいびきをかいていたら、もしかしたらこの病気かもしれないので、医師に相談してみてください。治療法は手術でレーザーで切開するのが一般的です。
(短頭種気道閉塞症候群)
これは、シーズーの様な鼻が短い犬種、ぺちゃ鼻の犬種がなりやすい病気です。この病気は、鼻孔狭窄症や、軟口蓋過長症などさまざまな要因が重なってなる疾患です。この病気もいびきが発見の発端となることが多く、他にははぁはぁとパンティングしたり、そのうち運動に耐えられなくなることもあります。治療は外科的治療で根治させます。
その他には、
*腎異形成
*家族性腎疾患
*シュウ酸カルシウム結石
*流涙症
*色素性角膜炎
*緑内障
*表皮膿腫
などが挙げられます。