チワワは、現在日本の犬種ランキングで常に上位に入るほど人気の犬種です。
そんなチワワについて、一体どんな特徴を持っているワンちゃんなのか、また飼うのは難しいのか等、チワワの飼い方について徹底解説したいと思います!
チワワの歴史
まずは、チワワという犬種の歴史について調べてみました。
年代
チワワは、北アメリカにおいては最も古い犬種として記録があります。
チワワは、その犬種の語源にもなっているテチチと呼ばれていた犬が起源で、アステカ文明の王族の時代から飼われ儀式の生贄とされていました。
テチチは、今のチワワよりすこし大きめの犬種で、このテチチが改良され今のチワワの形になったとされているのが一般的な説です。
古代より、人に寄り添って来た犬種で、王族のお墓からは一緒に埋葬されたテチチの骨も発掘されており、人と長く共存してきたことがわかります。
19世紀半ばからアメリカで品種改良が進められ、アメリカンケネルクラブに登録されたのは1904年のことでした。
原産国
チワワの原産国は、メキシコです。メキシコにはチワワ地域と呼ばれている地域があり、そこでは現在でもチワワが、街中を自由に歩き回っていることは有名です。
種類
チワワには、毛の長いタイプのロングコートチワワと、短毛タイプのスムースコートチワワの2種類がいます。
もともとは、毛の短いスムースコートチワワが原型ですが、これにパピヨンや狆などの長毛種を交配し、改良を重ねながら誕生したのがロングコートチワワです。
チワワの特徴
では、ここからはチワワという犬種の特徴について述べていきましょう。
毛色
チワワは、カラーバリエーションが豊富な犬種として知られています。
チワワの一般的な毛色をわかりやすいように、表にまとめてみました。
系列 | 毛色 |
ホワイト系 | ホワイト、クリーム |
ブラック系 | ブラックタン、ブラックソリッド |
レッド系 | レッド、フォーン、ゴールド |
パーティカラー(2色) | 白茶パーティ、白黒パーティ |
トライカラー(3色) | トライカラー(黒、白、タンカラー) |
セーブルカラー | レッドセーブル、フォーンセーブル |
レアカラー | チョコレート、ブルー、ブルーフォーン、イザベラ、ブルーマール |
このように、チワワの毛色は系列だけでも多岐にわたります。
表の中では挙げましたが、レアカラーのブルーマールについては、現在ジャパンケネルクラブでは登録を認められていません。
正しい繁殖を行うのが困難な毛色とされているため、遺伝性疾患について危惧された等の配慮、経緯があります。
大きさ(高さ、体重)
チワワの大きさは、体重は1.5㎏~3㎏が標準で、体高は12~20㎝ほどの大きさになります。
チワワは、世界的に公認された「世界で一番小さな犬」と認定されています。
臭い
チワワは、ほとんど体臭が無いということでも知られています。犬種によっては、洗ってもすぐに臭う犬もいますが、チワワはあまり臭いません。
実際に私もチワワを6匹飼っていますが、臭いは全く気になりません。
寿命
近年、獣医界の進歩がめざましく、昔に比べるとどの犬種もかなり長生きしてくれるようになりました。チワワの平均寿命は12~16歳ですが、20歳を超えて長生きする犬も結構います。
性格
チワワは、ワンオーナードッグと呼ばれるほど、飼い主に忠実な犬種です。また、メキシコ原産であるため、陽気で活発、非常に賢い犬種です。
チワワと言えば、キャンキャンうるさい、いつも震えているというイメージがありますが、それは犬種本来の性格ではありません。
むしろ、小さいながらも相手に立ち向かっていくような勇敢な気質も備えています。
チワワの飼い方
チワワという犬はどんな犬か、だいたい特徴をお分かりいただけたと思います。
では次に、チワワの飼い方についてお伝えしていきましょう。
飼う場所(室内)
チワワは、必ず室内で飼育を行いましょう。
稀に「犬だから外で」と外飼いをしている飼い主さんを見かけますが、場合によっては虐待の通報をされますので注意してください。
チワワは、比較的暑さには強い犬種ですが、寒さには弱いので冬の寒い時期に外で飼育していると最悪死亡するケースもあります。
また、チワワのような外国産の犬種は、日本では生活がしにくいのが現状です。日本のジメジメとした湿気の多い環境では、そもそもが過ごしにくいため、年間を通して室内で快適な温度と湿度を保った状態で飼育することが長生きの秘訣でもあります。
散歩
チワワは小さいため、あまり散歩を必要としないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかりと運動させることで筋肉を鍛え、免疫力の高い犬に育ちますので、散歩は非常に重要です。
最低でも1日20分以上、できれば1時間~2時間歩かせても全く問題ありません。
エサ
チワワに与える餌は、ドッグフードが良いでしょう。
手作りご飯を与えても構いませんが、栄養バランスがきちんと取れるかどうか心配な部分もあります。
トリミング
チワワは、トリミングを必要としない犬種です。
ある程度毛が伸びると、それ以上は伸びないのでカットの必要がありません。
夏場になると、サマーカットと言って丸刈りにする飼い主様もおられますが、これはおすすめしません。直射日光に当たってしまったり、毛をバリカンで刈ることでホルモンバランスが崩れて皮膚疾患を起こしたり、毛質が全く変わってしまうなどのデメリットがあります。
どこで買える?
チワワを飼いたいと思ったら、入手方法は3つあります。
- ペットショップで購入する
- チワワのブリーダーから購入する
- 保護犬などを迎える
以上の3つのルートがあります。
どの経緯で迎えても、ご縁ですから間違いはありません。ただし、それぞれの迎え方にもメリットとデメリットがあります。
価格
チワワの価格は、10万円~20万円が相場です。
ただし、チャンピオン犬の子供であったり、血統が優れた犬である、ショードッグとして向いているという、いわゆる犬質が高い犬の場合は、50万円を超えることも珍しくありません。
飼うために必要なもの(グッズ等)
チワワを飼うために必要なものはですが、
- ケージ
- トイレ・トイレシート
- ドッグフード・おやつ
- エサ・水入れ
- 首輪・リード
最低でも上記のものは必要です。
できれば迎える前に揃えておきましょう。
畜犬登録
チワワに限らず、犬を飼う場合は畜犬登録を各市町村に届け出る必要があります。これは、犬の飼育に義務付けられている狂犬病の予防接種を行った際に、病院が行ってくれる場合があるので、一度獣医師に相談してみてください。
ワクチン
犬を飼ったら、まず狂犬病のワクチンを接種しなければならないことは法律で定められています。
狂犬病のほかにも、さまざまな病気にかかる可能性があり、これらの病気に対して抗体を付けるために混合ワクチンの接種が推奨されています。
混合ワクチンも、色々な種類がありますが室内飼育のチワワの場合は、5~6種類程度のワクチンで十分です。狂犬病も混合ワクチンも、年に1度接種を行うのが一般的です。
チワワの食事
次に、チワワの食事について解説していきます。
必要な栄養素
下は犬に必要な5代栄養素です。
- タンパク質(アミノ酸)
- ビタミン
- 炭水化物
- ミネラル
- 脂肪(脂肪酸)
特に、タンパク質については良質なタンパク質を与えることが重要視されています。
与えてはいけない食べ物
チワワに限らずですが、与えてはいけない食べ物として
- ネギ類
- チョコレート
- アルコール
が挙げられます。
この3つを注意していただければ、だいたいなんでも食べられますが、アレルギー体質の犬もいますので、その場合はアレルギー物質を排除する必要があります。
ドッグフード
チワワには通常はドッグフードを与えるのが、栄養バランスも整っており手軽に与えられるので良いでしょう。
ですが、ドッグフードもなんでもいいというわけではありません。1日でも元気で長生きしてもらうためには、良質のドッグフードを選んであげてください。
最近では、「犬も家族」というお考えの飼い主様も増えてきたため、ドッグフードもとても良いものがたくさん販売されています。確かに、量販店で販売されている商品より高額な商品ですが、良質なフードを与えることで健康も維持できますし、医療費の節約にもなります。
是非、こだわりのドッグフードをチワワのためにチョイスしてあげましょう!
とはいえ、一体どんなドッグフードを与えればいいのか迷ってしまいますよね?そこでおすすめしたいのが、プレミアムドッグフードです。
プレミアムドッグフードの主な特徴は、安心・安全な高品質ドッグフードというところです。商品によって様々ですがヒューマングレード(人間でも食べられる原材料を使用)や製造工程においてきちんと管理されている工場での製造など、愛するワンちゃんにも家族と同様に安心して食べられるドッグフードです。一般的な量販店で販売されているドッグフードよりも高品質な為、お値段も少し高いのが特徴です。
チワワに良いドッグフードを探しておられる方は、是非一度試してみてくださいね。
チワワのしつけ・トレーニング
チワワだけでなく、犬を飼うということは、人と共存生活を送るということです。
つまりは、ある程度人間のルールを教えて、学んでもらう必要があります。ここでは、チワワへのしつけやトレーニングについてお話させていただきましょう。
接し方・コミュニケーション
チワワへの接し方やコミュニケーションは、決して難しくありません。なぜなら、この犬種は人に寄り添うという能力が高い犬だからです。
飼い主様の気持ちをいち早く察して、自分がすべき行動をすぐ理解するとても優しく賢い犬種です。
また、犬は人間の3歳児くらいの脳の機能があり、200語ほどの言葉を理解するといわれています。日ごろから、よく話しかけたりコミュニケーションを取ることで、お互いの理解を深めることができます。
褒める・叱る
犬を褒めたり叱ったりするのに、一番重要なのは何だと思いますか?
それはタイミングです。
これは人間の子供への教育にも似ているかもしれませんね。また、しつけを行うにあたっては、必ず「褒めてしつける」ことを心がけてください。トイレもご飯も散歩も、できることが当たり前ではありません。特に最初の頃は、全ての「できたこと」において褒めるようにしましょう。
叱る際も、叩いたり体罰を与えることは絶対にしてはいけません。叱る場合は、犬の目を見て声を低くし、「ダメ」「いけない」という言葉で叱ることを徹底してください。
室内
室内とはいえ、小さなチワワの生活範囲は人間よりずっと低い、床に近い範囲となります。また、好奇心旺盛なチワワは、特に仔犬の頃は何をするかわかりません。
家の中であっても、飼い主様の目が届かない状態の時にはフリーにせず、ケージに入っておいてもらいましょう。その代わり、飼い主様がチワワの相手ができる状態ではフリーにさせて思い切り遊んであげてくださいね。
散歩
散歩のしつけやトレーニングとして注意すべき点は、どちらかと言えば飼い主側にあります。
- きちんとアイコンタクトしながら散歩する(スマホを見ながらなんてもってのほか!)
- ノーリードは禁止
- 犬の排泄物はきちんと持ち帰る。おしっこの処理は無害の消臭スプレー等を利用する
- 犬が苦手な方も散歩を楽しんでおられるので、人とすれ違う時には必ずリードを短く持って制止する。
- 他のわんちゃんに攻撃しないように訓練する
など、飼い主様が注意しなければならないことの方が多いです。
無駄吠え
皆さんは犬は吠えるものだと思っていませんか?
確かに犬は吠えることで意思表示をすることもありますし、猟犬と呼ばれる犬種は本来吠えることが仕事でもあります。しかし、チワワは愛玩犬ですので、吠えさせる必要がありません。
もちろん、全く吠えないようにするのは難しいですが、無駄吠えは犬を飼っていない方からすれば騒音に他なりません。近所迷惑で、苦情を言われないようにするためにも、無駄吠えに対するしつけはきちんと行わなければなりません。
無駄吠えを止めさせるには、色々方法がありますが、一番効果が無いのが犬が吠えるたびに飼い主様が大声で叱ることです。こうすると、犬は構ってもらっていると勘違いしてしまい、かえって逆効果です。
無駄吠え防止グッズや、しつけグッズも販売されているので、このようなグッズを利用するのも良いでしょう。
トイレ
トイレのしつけは、犬を飼っている飼い主様の中でも頭を悩ませるナンバー1の内容だと思います。ですが、根気よく行えば、必ずできるようになりますので諦めずにチャレンジしてくださいね。
一般的な方法としては
- サークルなどで囲った中にトイレシートを敷き詰めて、その中でチワワを自由にさせておく。その間も、できればずっと見守っていて、トイレをしたら思い切り褒める。
- 次に、同じ囲いの中でトイレシートの範囲を狭めていく。最初はなかなかシートの上でしないかもしれないが、失敗しても叱らない。トイレを別の場所でしそうになったら、そっとチワワをシートの上に移動させる。無事シートの上でトイレしたら同じく思い切り褒める。
- 次に、サークルやケージの外にもトイレシートを敷き、フリーにする。最初のうちは遊びに夢中でトイレに間に合わなかったりするが、叱らないで同じようにトイレをしそうになったらシートの上に移動させて、トイレしたら褒めるを繰り返す。
このように、根気よく繰り返すことで徐々に覚えてくれるようになります。
また、トイレについては外でしかしないチワワもいますが、そうすると悪天候の場合や病気になった時、外出できない事情があるときにとても困ります。
家の中でもトイレができるように訓練していきましょう。
噛む
愛犬が他人や他のワンちゃんを噛む行為は、互いを不幸にします。仔犬の頃は甘噛みといって、じゃれているつもりで噛んだりするのですが、通常はその加減を親犬や兄弟犬と一緒に過ごすことで学んでいきます。これがいわゆる社会化と呼ばれる犬社会においてのルールです。
しかし、生後数か月で親元から離され、ペットショップに並んでしまう状況で犬を販売されることが当たり前となっている日本では、この時期の貴重な経験ができずに、力加減がわからず噛みついてしまう子が多いのが現状です。
とはいえ、「しょうがない」で済ませるのではなく、噛むチワワにはきちんと飼い主様がしつけして止めさせなければなりません。
効果的な方法としては、強く噛みついたら完全に無視してください。この時も体罰を与えてはいけません。チワワにとっては、大好きな飼い主様に無視されるのが一番つらいお仕置きなのです。
留守番
お仕事をしている方などは、日中家を留守にすることもあるでしょう。
この場合、チワワにはお留守番をしてもらう必要がありますよね。留守番のトレーニングは、徐々に行うのが正しいやり方です。
いきなり何時間も突然留守番させられたら、分離不安症の原因にもなりますし、留守中ずっと吠えているということになりかねません。最初は10分程度の留守番訓練から始めて、徐々に時間を伸ばしていきましょう。
チワワの健康
最後に、気になるのがやはりチワワの健康ですよね。
ここでは、チワワ特有の病気や、なりやすい病気や怪我、予防、去勢避妊などについてお伝えします。
かかりやすい病気・けが
チワワがかかりやすい病気の代表としては、水頭症と膝蓋骨脱臼が挙げられます。水頭症というのは、先天性疾患のことで遺伝性の病気です。生後2~3カ月で発症し、残念ながら完治することはありません。また、発症すればあまり長生きすることはなく、長くても数年で寿命を全うするケースがほとんどです。膝蓋骨脱臼は、膝の骨が外れてしまう疾患で多くのチワワを悩ませています。これも、原因として遺伝的なものが多いのですが、こちらは手術で完治することが可能ですし、酷くない場合は膝回りの筋肉を鍛えることや、サプリメントを飲ませることでも温存が可能な疾患です。
去勢・避妊
犬の避妊去勢については、賛否両論あり、最終的には飼い主様が決めなければなりません。避妊や去勢について、わかりやすく表にまとめてみましたので、ご覧ください。
手術の種類 | 費用の相場 | メリット | デメリット |
去勢手術(オス犬) 手術時間:15分ほど |
2万円前後 |
マーキングしなくなる 攻撃性が無くなる 病気の予防 |
太りやすくなる 子供を残せない |
避妊手術(メス犬) 手術時間:1時間ほど |
5万円前後 |
望まぬ妊娠を避けられる ヒート(生理)が無くなるので、いつでも外出させられる 生殖器に関する病気にならない |
太りやすくなる 子供を残せない |
手術の費用は、どうしてもメス犬の方が高い技術を要しますし、時間もかかりますので高額になります。ただし、いずれにせよ全身麻酔で行いますので、麻酔のリスクはオスメスともに同じです。
麻酔による事故死は、どんなに技術が発達していても、残念ながら発生してしまいますので、100%安全な手術ではありません。このリスクを少しでも回避するために、術前検査はしっかり行いましょう。
メリットとしては、オスメスともに生殖器の病気が回避できることです。オス犬の場合、手術をしてもマーキングする犬もいますし、攻撃性が強いままの子もいますが、改善される子ももちろんいます。
メス犬の場合は、ヒート期間中は他の犬が集まるような場所に出かけるのはルール違反とされています。ペット同伴可のカフェや宿泊施設では、ヒート期間中のメス犬の来店を断る場所がほとんどです。
また、デメリットとしてはオスメスともに、ホルモンバランスが乱れますので、太りやすくなることが最大のデメリットです。
さらに、犬の繁殖能力は人が思っている以上に強いので、多頭飼いしている場合いくら飼い主様が気を付けていても、目を離したすきに生殖行為をしてしまえば、回避させるのは非常に困難です。
もし、オスメス両方飼っておられて、子供を産ませるつもりが無いのであれば、必ずどちらかの手術を行う方が得策です。
ワクチン等予防接種
人間も、幼いころ予防ワクチンを接種したり、大人になってからもインフルエンザ予防接種をしたりしますよね。
犬も、予防接種を行うことで病気を回避できたり、病気にかかっても軽度で済むことがあります。
また、狂犬病ワクチンについては、犬を飼っている人には義務付けられているので、1年に1回必ず受けるようにします。ただし、病気療養中や老犬の場合はワクチン接種が命にかかわることもありますので、その場合は病院で「狂犬病予防注射猶予証明書」を発行してもらえれば、予防接種を回避することができます。
ただし、ワクチンを回避するかどうかは獣医師の判断にゆだねられます。
まとめ
この記事では、チワワの歴史に始まり、チワワの特徴や飼い方、しつけ、病気のことなどをお話させていただきました。
最初にお伝えしましたが、チワワはとても賢く魅力的な犬種です。チワワを迎えられたら、きっとあなたの素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。
この素晴らしく愛らしいチワワと、あなたも素敵な愛犬ライフを満喫してみませんか?