テレビドラマの出演により、一躍有名となったミニチュアシュナウザー。
それまでは、一般的にはあまり知られていませんでしたが、このドラマをきっかけに迎える方もぐっと増えてきました。
最近では、街中でもよく見かけるようになったこちらのワンちゃん。
一体どんな特徴を持っている犬なのでしょうか?また、飼うのは難しいのかなど徹底解明したいと思います!
ミニチュアシュナウザーの歴史
ミニチュアシュナウザーのことを知るには、まず彼らの歴史から紐解いていきましょう。
年代
ミニチュアシュナウザーは、「ミニチュア」と名が付くので、そのもとになった原型の犬がいます。それが、スタンダードシュナウザーと言うワンちゃんです。
スタンダードシュナウザー自体は、14世紀ごろのドイツで作出されました。
主に、ネズミ駆除や家畜の誘導、荷車を引いたりなど、人のために働く使役犬として活躍してきました。
ミニチュアシュナウザーは、このスタンダードシュナウザーとアーフェン・ピンシャーを交配して、ドイツのフランクフルトで改良・作出された犬種とされています。
ジャイアントシュナウザーを、
日本にやってきたのは、昭和30年代。
アメリカから輸入されて以来飼われているとのことで、歴史的にはまだ浅い犬種なんですね。
原産国
ミニチュアシュナウザーの原産国は、ドイツです。
しかし、現在は原産国のドイツよりもアメリカの方がはるかに飼育頭数が多いです。
種類
ミニチュアシュナウザー自体は、種類は1種類しかありませんが、シュナウザーは以下の3つの大きさで種類わけすることができます。
種類 | 体重 | 体高 |
---|---|---|
スタンダード・シュナウザー | 14㎏~20㎏ | 45㎝~50㎝ |
ミニチュア・シュナウザー | 7㎏前後 | 30㎝~35㎝ |
ジャイアント・シュナウザー | 35㎏~45㎏ | 60㎝~70㎝ |
ミニチュアシュナウザーの特徴
では、ここからはミニチュアシュナウザーの特徴について述べていきましょう。
毛色
ミニチュアシュナウザーには、以下の様な特徴の毛色があります。
毛色 | 特徴 |
---|---|
トップコート | ブラックのアンダーコートに漆黒の毛色 |
ソルト&ペッパー | グレー色の毛色 |
ブラック&シルバー | 黒と銀色の毛色 |
ホワイト | 白色 |
他にも毛色はあるようですが、正式には上記の毛色しか認められていません。
大きさ(高さ、体重)
ミニチュアシュナウザーの体重は、7㎏前後で体高は30~35㎝が平均です。
性別での大きさの違いはありません。
現在、日本ではより小さな犬が人気の傾向であるため、ミニチュアシュナウザーも小型化がどんどん進んでいます。
臭い
ミニチュアシュナウザーは、きちんと定期的にお手入れをしていても、体質の関係上やはり少し臭う傾向があります。
また、口の周りを口髭のように残してカットする独特のスタイルをしている子が多いため、口内のケアをしっかりしておかないと、お口の中の臭いが毛に移って、かなり強い悪臭を放つこともありますので注意が必要です。
寿命
ミニチュアシュナウザーの寿命は、平均で12~15歳とされています。
もちろん個体差がありますので、もっと早く寿命が尽きる子もいますし、逆に20歳近くまで長生きする犬ももちろんいます。
性格
ミニチュアシュナウザーは大変聡明な犬種です。一方で、好奇心旺盛で遊び好きな性格です。
また、警戒心が強く、頑固な面もありますが、とても愛情深い犬種です。
警戒心があるため無駄吠えをすることが多い犬種ですが、賢く人に従う性質があるので、訓練次第では無駄吠えコントロールは可能です。
ミニチュアシュナウザーの飼い方
では、ミニチュアシュナウザーを飼いたい場合は、どのような点に注意すべきなのかなどを含め、ミニチュアシュナウザーの飼い方についてみていきましょう。
飼う場所(室内)
昔は、特に日本犬や雑種は外で飼うのが当たり前の時代でしたが、近年は洋犬の大型犬を含め外で犬を飼うことはあまりしなくなってきました。
ミニチュアシュナウザーは、大きさによっては中型犬に部類されますが、やはり室内で飼うのが適切でしょう。
散歩
ミニチュアシュナウザーは、がっしりとした筋肉質で、体力もある犬種ですが、あまり激しい運動量は必要ありません。
もちろん日々の散歩は必要ですし、室内でもお時間があればおもちゃなどで思い切り遊んであげてください。散歩は1日30分~1時間程度、小型愛玩犬より少し運動量を増やす程度で良いでしょう。
エサ
ミニチュアシュナウザーも、他の犬種と同様に、一般的にはドッグフードを食べさせて問題ありません。
もちろんきちんと管理できるのであれば、手作りご飯を与えてあげるのも愛情です。
トリミング
ミニチュアシュナウザーの毛質はダブルコートという性質の毛質です。
この犬の美しい外見を維持するためには、週に数回はブラッシングしてあげましょう。
ニチュアシュナウザーも、トイプードル同様に、さまざまなカットスタイルが楽しめる犬種です。人気のスタイルとして、手足と眉上、ひげを長く伸ばして整えるスタイルが知られています。特に、睫毛(まつげ)部分は長く伸ばすのが主流のようです。
なお、伸ばさない部分の毛の手入れの方法はふたつあります。ひとつはバリカンで刈っていく方法と、もうひとつは毛を抜いていく方法です。
毛を抜いて良く方法については、ストリッピングという技術ですが、これは成犬になってから始めると、とても痛がりますのでこの方法を希望される場合は幼犬時代から皮膚を慣れさせる必要があります。
ただし、高齢になると皮膚が弱くなり、炎症が起きやすく、毛の再生が遅れますので、無理にストリッピングするのはおすすめしません。
ミニチュアシュナウザーは、皮膚が弱い犬種でもありますので、トリミングを頻繁に行う場合は、皮膚の保護や体温調節のためにお洋服を着せてあげるなど工夫しましょう。
どこで買える?
ミニチュアシュナウザーを飼いたいと思ったら、入手方法は3つあります。
- ペットショップで購入する
- ミニチュアシュナウザーのブリーダーから購入する
- 保護犬などを迎える
以上の3つのルートがあります。
ミニチュアシュナウザーは、最近ではペットショップでもよく見かける犬種ですが、トイプードルやチワワに比べるとレアな犬種なので店頭にいない場合もあります。
この時期に迎えたい!という希望があるならブリーダーから迎えるのが確実です。
また、近年、残念ながらミニチュアシュナウザーの飼育放棄も多くなっており問題となっています。ミニチュアシュナウザーの保護犬を迎えたい場合は、ミニチュアシュナウザー専門の保護団体もありますので、そのようなところに相談なさっても良いですね。
価格
ミニチュアシュナウザーの子犬の価格平均は25万円ほどになります。
ただし、チャンピオン犬の子供やドッグショーに出せるレベルの上質な子犬の場合は価格が50万円を超えることは珍しいことではありません。
飼うために必要なもの(グッズ等)
ミニチュアシュナウザーを飼うために必要なものをあげてみます。
- ケージ
- トイレ・トイレシート
- 餌・ドッグフード
- 餌・ドッグフード入れ
- 水入れ
- ブラシ
- 首輪・リード
- おもちゃ
- おやつ
最低でも上記のものは必要です。
できれば子犬を迎える前に揃えておかれると、慌てずにすみますよ。
これらは、インターネットでも買い物することができますが、ケージなどは実際の大きさを見て購入したほうがいいので、量販店にでかけて購入することをおすすめします。
畜犬登録
犬を飼う場合は畜犬登録を各市町村に届け出る必要があります。
犬の飼育を行う際は、狂犬病の予防接種が義務付けられています。
病院で接種したらその医院が登録も全て行ってくれますので、獣医師に相談してみてください。
ワクチン
犬を飼ったら、まず狂犬病のワクチンを接種しなければならないことは法律で定められています。
ですが、狂犬病のほかにもさまざまな病気にかかる可能性があり、これらの病気に対して抗体を付けるために混合ワクチンの接種が推奨されています。
ドッグショーに出陳したり、アウトドアをよく楽しむ場合は6種以上の混合ワクチン接種をおすすめしますが、通常は4~5種のワクチン接種で構いません。
ミニチュアシュナウザーの食事
次に、ミニチュアシュナウザーの食事について解説していきます。
必要な栄養素
犬に必要な栄養素は、以下の5代栄養素となります。
- タンパク質(アミノ酸)
- ビタミン
- 炭水化物(食物繊維)
- ミネラル
- 脂肪(脂肪酸)
特に、犬には良質な動物性たんぱく質が不可欠であるとされています。
最近では、犬に手作りご飯を与える方も増えてきているのですが、きちんと栄養バランスを考えて与えない方も多いようで、栄養失調になる犬も増えてきているとの報告があります。
与えてはいけない食べ物
犬が食べてはいけない食材は
- ネギ類
- チョコレート
- アルコール
この3つを注意していただければ、だいたいなんでも食べられますが、アレルギー体質の犬もいますので、その場合はアレルギー物質を排除する必要があります。
特に、果物でアレルギーを発症する場合も多いので、与える際は注意が必要です。
ドッグフード
ミニチュアシュナウザーの通常の食事として、ドッグフードを与えるのが手軽で簡単です。
また、ドッグフードは上記で述べました5代栄養素をしっかり網羅していますし、何より時間がない時にすぐに与えられますので便利ですよね。
しかし、市販されているドッグフードの中には、発がん性物質が含まれていたり、とても危険な添加物が使用されているものも多いのです。
そこでおすすめなのが、プレミアムドッグフードです。
プレミアムドッグフードは、危険な添加物を使用していないのはもちろん、食材も人が食べられるレベルのいわゆるヒューマングレードの原材料を使用しているものが多いので、愛犬に安心して与えられる優れたドッグフードです。
ミニチュアシュナウザーのしつけ・トレーニング
ミニチュアシュナウザーは、元は使役犬なので、人の指示をよく理解してくれます。
ですので訓練やしつけはとてもしやすい犬なんです。
ここでは、ミニチュアシュナウザーへのしつけやトレーニングについてお伝えします。
接し方・コミュニケーション
ミニチュアシュナウザーは、人の言うことを理解し、話をきちんと聞ける能力のある犬種です。ですので、きちんとコミュニケーションできますし、触れ合えば触れ合うほどわかりあえるでしょう。
褒める・叱る
犬へのしつけは、ミニチュアシュナウザーだけでなく、どの犬種にも言えることですが
- まず体罰を行わない
- 褒めてしつける
この2つを徹底して行いましょう。
できないことを叱るのではなく、できることを褒めて伸ばす方法の方がやりやすいです。なんだか人間の子育てに似ていますね。
室内
ミニチュアシュナウザーは、とても賢い犬種です。
賢いがゆえに、いたずらをするということが言えます。ですので、いくら室内で飼い主様と一緒にいるからといって、目を離すといたずらしたり、時には危険な行為をしてしまうことだってあります。
室内でフリーにする際は、飼い主様がきちんと愛犬を見守れる状態で遊ばせましょう。
散歩
ミニチュアシュナウザーは、先ほども少し述べたように、体つきのわりにはあまり運動は必要ないのですが、それでも30分~1時間ほど散歩するとなれば、結構しっかりした運動量になります。
犬にとってのお散歩は、運動だけでなくストレスを解消したり、さまざまなルールを学ぶ場所、つまり心身両方の健康を充実させるためのものです。
悪天候や飼い主様がどうしても都合がつかない場合は、無理にお散歩をしなくても構わないのですができるときは、必ず散歩に連れ出してあげましょう。
無駄吠え
ミニチュアシュナウザーは、無駄吠えしやすい犬種です。
しかし、訓練が入りやすい犬種でもありますので、きちんとしつけて無駄吠えさせないように心がけましょう。
特に、マンションなど集合住宅で犬を飼う場合は、無駄吠えの声が反響して大変迷惑になります。犬を飼っている人でも「うるさいな」と思うほどですので、トラブルにならないように気を付けましょう。
トイレ
ミニチュアシュナウザーは、しつけが入りやすい犬種ですので、トイレのしつけも比較的スムーズにできると思います。
もちろん個体差があって、なかなか覚えない子もいますが、根気よく行えば必ず覚えてくれるので飼い主さんも、トイレのしつけは頑張ってくださいね。
また、中には「トイレは散歩のときにしかしない」というワンちゃんもいるようですが、それだと悪天候のときや、旅行に行ったとき、飼い主さんの事情でペットホテル等に預けるときにとても困ります。
トイレは、家の中でも外でもできるように、訓練しておく方が良いですね。
噛む
もし飼っているミニチュアシュナウザーが、人や他のわんちゃんを噛むという場合は、絶対にやめさせなければなりません。
特に人を噛んでしまった場合は、ミニチュアシュナウザーに限らずですが、殺処分対象になることもありますので、真剣にしつけを考え直しましょう。
留守番
犬を飼う人のすべてが、ずっと愛犬と一緒にいられるというわけではありませんよね。
むしろ、仕事で家をあけなければならない、事情で犬に留守番をさせなければならない場合があるという方の方が多いでしょう。
また、今は留守番させる必要が無い場合も、将来どんな状態になるかわかりません。ですので、適度にお留守番の訓練をすることは重要だと考えます。
留守番の訓練は、いきなり何時間も留守番させるのではなく、最初は数分から始めて、徐々に時間を増やしていきます。
ミニチュアシュナウザーの健康
ミニチュアシュナウザーを飼ったら、どんな病気に気を付けると良いのでしょうか?また、犬種特有の病気や、ミニチュアシュナウザーにしかかからない病気がもしあるのであれば、知っておくことで防げたり、罹患してもすぐに医師の指示を仰いで完治できるかもしれません。
ミニチュアシュナウザーのように、血統書付きの犬を飼う場合は、犬の特徴だけでなくどんな病気にかかりやすいのかも併せて調べておくと良いでしょう。
かかりやすい病気・けが
ミニチュアシュナウザーはとても健康な子が多いのですが、大腿骨の骨頭が変形、壊死するレッグ・ペルテスや腎臓疾患で苦しむ子がたまにいます。
これは、ほとんどが遺伝性疾患ですので、子犬を迎える際にはきちんと繁殖なさっているブリーダーさんを見つけて、そこから迎えることで防げることが大半です。
また、網膜萎縮症や若年性白内障などの眼科疾患を発症する可能性が高いことでも知られています。この原因もまた、遺伝性のものが多いため迎える際には十分注意してください。
さらに、ミニチュアシュナウザーは尿結石も出来やすい犬種です。水分を十分に摂らせて、シニアになったら定期的な尿検査をしながらケアしていきましょう。
去勢・避妊
犬の避妊去勢については、どちらが正しいということはなく、最終的には飼い主様が決めなければなりません。避妊や去勢については、飼い主様の都合により行うかどうかになりますが、当然メリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
望まない妊娠が避けられる | 太りやすくなる |
マーキングをしなくなる | 子供が欲しくなっても産めない |
凶暴性が薄れる | 麻酔のリスクがある |
生理を気にせずでかけられる | 費用がかかる |
生殖器の病気にならないですむ |
手術の費用は、一般的にはメス犬の方が高額で、手術時間も長いです。
なお、犬には理性がありません。もし、オスメス両方飼っておられて、子供を産ませるつもりが無いのであれば、必ずどちらかの手術を行う方が得策です。
ワクチン等予防接種
犬を飼ったら、狂犬病の予防ワクチンの接種は義務付けられていますので、毎年必ず摂取しなければなりません。
また、混合ワクチンといって、これは任意のワクチン接種ですが、恐ろしい感染症や伝染病から身体を守ってくれる抗体を作る注射ですので、これも年に1回の接種が推奨されています。
ただし、狂犬病ワクチンも、混合ワクチンも、病気療養中のワンちゃんやシニアの犬は摂取すると命の危険性がある場合があるため、医師の指導のもと行ってください。
その他には、蚊を介して感染するフィラリア感染症を予防することもお忘れなく。こちらは、毎月の投薬予防となります。
まとめ
ミニチュアシュナウザーは、飼ってみるとその魅力にどんどんハマって、ミニチュアシュナウザーの多頭飼いをされる方が多いですし、何代にもわたってミニチュアシュナウザーばかり飼育する方も多いんです。個人的にはなんと言っても「博士のような長いまつ毛や口周り」が特徴で本当に愛らしいワンちゃんでと思います。
今回は、そんな魅力的なミニチュアシュナウザーの秘密を、少しお分かりいただけたと思います
是非、皆さんもミニチュアシュナウザーをパートナーに迎えられてはいかがでしょうか?
きっと楽しいわんこライフが待ってますよ!